AI(人工知能)が急速に発達し、フィットネス業界も大きく変化しています。
現在では、AIを活用して筋力トレーニングのフォームを分析したり、姿勢や身体の動きを評価したりする技術が進歩しています。
今後は、個人の身体の特徴に合わせたトレーニングメニューの作成も、さらに身近になるでしょう。
では、AIによる運動指導が発達したとき、人間のパーソナルトレーナーには、どのような価値があるのでしょうか?
西千葉のパーソナルジム Well-Beingでは、その答えの一つが「自己認知への働きかけ」にあると考えています。
正しいフォームを知るだけでは、身体は変わらない
筋力トレーニングでは、正しいフォームで運動することが重要です。
しかし、正しいフォームを知っていることと、実際にその動きを身につけることは同じではありません。
例えば、
- 背筋を伸ばしているつもりでも、腰を反らせている
- 左右均等に立っているつもりでも、片側に体重が偏っている
- 肩の力を抜いているつもりでも、無意識に力が入っている
このように、自分が認識している身体の状態と、実際の身体の状態にはズレが生じることがあります。
だからこそ、正しい動きを教えるだけでなく、お客様自身が身体の状態に気づくことが大切なのです。
自由エネルギー原理から考える「行動の変化」
神経科学の分野には「自由エネルギー原理」という考え方があります。
これは、脳が自分の身体や周囲の環境を予測し、実際に得られる感覚情報との違いを調整しながら、知覚や行動を形成しているという理論です。
この理論に関連する「能動的推論(Active Inference)」では、人間の知覚と行動は互いに影響し合うものとして捉えられています。
つまり、私たちは身体を動かすだけでなく、その動きから得られる感覚をもとに、身体に対する認識も更新しているのです。
例えば、スクワットで「膝を曲げる」と指示される場合と、「足の裏のどこに体重がかかっているか」を感じながら動く場合では、注意を向ける情報が異なります。
身体の感覚に注意を向けることで、それまで気づかなかった動きの特徴を発見できるかもしれません。
こうした経験が、身体の認識や動作の学習につながると考えられます。
行動を変える鍵は「自己認知」
自己認知とは、自分自身の状態や特徴を認識することです。
トレーニングでは、
- 自分はどのような姿勢を取っているのか
- どこに力が入っているのか
- どの動きが得意で、どの動きが苦手なのか
- 運動前後で身体の感覚がどう変わったのか
こうしたことに気づく力が重要になります。
自分の身体の状態を認識できなければ、適切な修正を行うことも難しくなります。
反対に、自分の身体の特徴に気づくことで、動作を見直すきっかけが生まれます。
身体を変えるためには、運動そのものだけでなく、自分の身体をどのように認識しているかも重要なのです。
AIには難しい「人と人との関わり」
AIによる身体評価には、客観的な情報を得られるという大きな価値があります。
しかし、評価結果を伝えることと、その人自身が身体の状態に気づき、行動を変えることは別の問題です。
例えば、トレーナーが「右足に体重が偏っています」と伝えたとします。
その情報だけでは、本人が身体の偏りを実感できるとは限りません。
そこで、
「左右の足の裏で、床を押している感覚に違いはありますか?」
「今の動きと、先ほどの動きでは何か違いを感じますか?」
と問いかけます。
お客様自身が感覚を確かめ、その気づきをトレーナーと共有する。
そして、トレーナーはお客様の反応に合わせて運動内容や伝え方を調整していきます。
一方的に正解を教えるのではなく、対話を通じて本人の気づきを引き出すこと。
ここに、人間のトレーナーが発揮できる大きな価値があると考えています。
40代・50代からのトレーニングにも大切なこと
40代・50代以降になると、筋力や柔軟性、体力の変化によって、以前と同じように身体を動かせないと感じる方もいらっしゃいます。
そのようなとき、ただ運動量を増やしたり、筋肉を鍛えたりするだけが解決策とは限りません。
まずは現在の身体の状態を知り、自分に合った動き方を見つけることが大切です。
千葉市・西千葉のパーソナルジム Well-Beingでは、姿勢や動作の評価だけでなく、お客様自身が身体の変化に気づくことを大切にしています。
AIが進歩すればするほど、客観的な評価や情報提供は身近になるでしょう。
だからこそ、これからのトレーナーに求められるのは、知識や技術を伝えることだけではありません。
お客様自身が身体を理解し、自分で気づき、より良い行動を選べるようにサポートすること。
そこに、人間のトレーナーが持つ大きな価値があると考えています。
西千葉・千葉市周辺で、姿勢改善や身体の使い方を重視したパーソナルトレーニングをお探しの方は、ぜひWell-Beingのホームページをご覧ください。
参考文献
Parr T, Corcoran AW, Friston KJ, Hohwy J. (2019). Perceptual awareness and active inference. Neuroscience of Consciousness, 2019(1), niz012.
https://doi.org/10.1093/nc/niz012
Seth AK, Friston KJ. (2016). Active interoceptive inference and the emotional brain. Philosophical Transactions of the Royal Society B, 371, 20160007.
https://doi.org/10.1098/rstb.2016.0007
※自由エネルギー原理は、知覚と行動の関係を説明する理論的枠組みです。人間のトレーナーによる自己認知への働きかけが、AIより必ず優れていると実証されたものではありません。
