「コーヒーを飲むとマグネシウムが減るって本当?」
普段からコーヒーを飲む方の中には、こんな話を聞いたことがあるかもしれません。
結論からいうと、
カフェインを摂取すると、尿から排泄されるマグネシウム量が一時的に増えることは、ヒトを対象とした研究で確認されています。
ただし、
「コーヒーを飲む=マグネシウム不足になる」
というほど単純な話ではありません。
今回は、千葉・西千葉でパーソナルジムを運営するトレーナーの立場から、カフェインとマグネシウムの関係について、医学的な研究をもとに分かりやすく解説します。
マグネシウムとは?
マグネシウムは、私たちの身体の中でさまざまな反応に関わっている重要なミネラルです。
特に、
・エネルギー産生
・筋肉の収縮と弛緩
・神経伝達
・血糖調節
・骨の健康
・酵素反応
などに関係しています。
そのため、運動をしている人だけではなく、疲れやすさや身体のコンディションが気になる方にとっても大切な栄養素です。
カフェインでマグネシウムの排泄量は増える?
カフェインとマグネシウムの関係を調べたヒト研究があります。
1990年に発表された研究では、成人女性37名がカフェインを摂取したところ、摂取後2時間の尿中マグネシウム排泄量が増加しました。
さらに、腎臓で一度ろ過されたマグネシウムを身体に戻す「再吸収率」が、
97.0% → 94.2%
へ低下しました。
つまり、
カフェインを摂る
↓
腎臓でマグネシウムを再吸収する割合が低下
↓
尿から排泄されるマグネシウムが増える
という反応が確認されています。
24時間で見てもマグネシウム排泄は増加
別の研究では、健康な男女17名に朝2回カフェインを摂取してもらい、24時間のマグネシウム排泄量を調べています。
その結果、カフェイン摂取後およそ6時間にわたって、尿中へのマグネシウム排泄が増加しました。
夜間には身体がマグネシウムを保持しようとする反応も見られましたが、完全には補えず、24時間ではマグネシウム排泄量がわずかに増加しました。
増加量は約3.9mg。
成人が1日に必要とするマグネシウム量がおよそ300〜400mg程度であることを考えると、この量だけで極端なマグネシウム不足になるとは考えにくいでしょう。
コーヒーそのものを使った研究でも排泄増加
カフェイン単体だけではなく、実際にコーヒーを使った研究もあります。
若い成人女性を対象にカフェインを含むコーヒーを摂取してもらったところ、
・マグネシウム
・カルシウム
・ナトリウム
・カリウム
・亜鉛
などの尿中排泄量が増加しました。
つまり、カフェインには利尿作用だけでなく、腎臓でのミネラルの再吸収に影響を与える可能性があります。
ではコーヒーを飲むとマグネシウム不足になる?
ここは非常に重要です。
研究から分かっているのは、
「カフェイン摂取後、一時的に尿中マグネシウム排泄量が増える」
ということです。
一方、
「毎日コーヒーを飲んでいる人はマグネシウム欠乏になる」
ということまでは証明されていません。
今回紹介した研究には、
・比較的多めのカフェインを使用している
・短時間の変化を調べた研究が多い
・参加人数がそれほど多くない
といった点もあります。
したがって、
「コーヒーは身体からマグネシウムを全部出してしまう」
「コーヒーを飲む人は必ずマグネシウムサプリを飲むべき」
といった表現は医学的には適切ではありません。
マグネシウム不足が気になる人は食事を見直そう
コーヒーだけを気にするよりも、まず大切なのは普段の食生活です。
マグネシウムは、
・海藻類
・大豆製品
・ナッツ類
・玄米や雑穀
・魚介類
・葉物野菜
などに多く含まれています。
コーヒーをよく飲む方であっても、こうした食品から十分にマグネシウムを摂れていれば、必要以上に心配する必要はありません。
逆に、
「加工食品が多い」
「野菜や海藻をほとんど食べない」
「食事量そのものが少ない」
といった食生活の場合は、コーヒー以前にマグネシウム摂取量そのものが不足している可能性があります。
ダイエット中こそ「減らす」だけではなく栄養を見る
ダイエットというと、
「糖質を減らす」
「脂質を減らす」
「カロリーを減らす」
ということばかり考えてしまいがちです。
しかし身体の代謝には、ビタミンやミネラルなどさまざまな栄養素が必要です。
特に40代・50代になると、
「食事を減らしているのに痩せない」
「以前より疲れやすい」
「運動しても身体が重い」
と感じる方も少なくありません。
そんなときは、単純なカロリーだけではなく、普段どんな食品を食べているのかを確認することも大切です。
千葉・西千葉のパーソナルジムでは、トレーニングだけでなく、身体の状態や生活習慣を含めて考えることで、無理のないダイエットや身体づくりをサポートしています。
まとめ
カフェインとマグネシウムの関係をまとめると、
・カフェイン摂取後は尿中マグネシウム排泄量が一時的に増える
・腎臓でのマグネシウム再吸収低下が関係していると考えられる
・24時間で見てもわずかな排泄量増加が確認された研究がある
・ただし、通常のコーヒー摂取がマグネシウム欠乏を引き起こすとは断定できない
・コーヒーだけではなく普段の食生活全体を見ることが重要
ということになります。
コーヒーを必要以上に怖がる必要はありません。
大切なのは、
「何か1つの食品を悪者にする」のではなく、身体全体の状態と食生活のバランスを見ること。
ダイエットや体調管理でも、この視点を大切にしていきましょう。
【参考文献】
Bergman EA, Massey LK, Wise KJ, Sherrard DJ.
Effects of dietary caffeine on renal handling of minerals in adult women.
Life Sciences. 1990;47(6):557-564.
PMID: 2402180
Kynast-Gales SA, Massey LK.
Effect of caffeine on circadian excretion of urinary calcium and magnesium.
Journal of the American College of Nutrition. 1994;13(5):467-472.
PMID: 7836625
Ribeiro-Alves MA, Trugo LC, Donangelo CM.
Use of oral contraceptives blunts the calciuric effect of caffeine in young adult women.
Journal of Nutrition. 2003;133(2):393-398.
PMID: 12566473
Barghouthy Y, et al.
Tea and coffee consumption and pathophysiology related to kidney stone formation: a systematic review.
World Journal of Urology. 2021;39:2417-2426.
※本記事は一般的な健康情報を目的としたものであり、特定の疾患の診断や治療を目的としたものではありません。
